聖書さんぽ
ダニエル書

ダニエル書入門:歴史を支配する神

ダニエル書 ダニエル書1–12章

ダニエル書はユダヤ教の伝統では預言書ではなく諸書に分類され、ヨセフやエステルのように異国で神に忠実に生きる物語と黙示文学的な幻が組み合わさった独特の書物です。2〜7章はABCBAのキアスムス構造を持ち、その中心(4〜5章)ではネブカドネツァルとベルシャツァルという二人の王が高ぶりゆえに低くされ、神こそが真の支配者であることを認めさせられます。火の炉や獅子の穴で守られる仲間たちの姿は、捕囚の民自身の体験と重なり、どんな国も王も及ばない神の主権と、やがて来る「人の子」による究極の救いへの希望を伝えています。